蒼い子猫と翠風の樹

取扱注意的なラブライバー時々PBWユーザーところによりTRPGプレイヤー

ラブライブスピンオフSS 第8章

前回のラブライブ!

http://d.hatena.ne.jp/tw1-2/20170615



詠美「詠美よ」


未唯「…未唯よ…」(グデーン)


詠美「今日から一年と本格的な練習に入るわね」


未唯「…そうね。あの茉莉奈の地獄の特訓に耐えられる一年が何人いるのか楽しみ…」


詠美「…あんた、意外とドSなのね」


未唯「…そう?でも一年生には頑張ってほしいのはホント…。特に友歌さん…。あのコはあの沙樹さんにも劣らない才能があると思う…」


詠美「んー、それはあるかもね。茉莉奈もなんだかんだ言ってるけど、あのコに期待してるわ」
 

未唯「…これで私は一年生の面倒を見ることもないから、ゆっくり眠れる…」


詠美「もー。アンタは一年を見習ってちゃんとしなさい!」



第八章 〜再会〜



(ペアとなって30分後)


前進開闢する友歌「Σ痛い痛い!?痛いです!!」


沙樹「何を言ってるの。μ'sはこのぐらいできたわよ。しっかりやりなさい」(ぐいぐい)


友歌「Σ痛い痛い痛い!!??む、ムリです!!」


沙樹「はぁ…。友歌さん、あなたやる気あるの?」


友歌「は、はい」


沙樹「でもまるでなっていないわね。お手本見せてあげるわ」


(前にぐっとしておなかをつける沙樹)


友歌「す、すごい…」


沙樹「このぐらいできて当然よ。でもあのμ'sも最初はできなかった。絢瀬絵里さんが当時のみんなに教えてできたのよ。あなたもできるはず。さあ、もう一回教えるからやってみなさい」


友歌「はい…(ぐいぐい)痛い痛い痛い!!」


沙樹「…ねぇ、友歌さん。本当にやる気あるの。このさい言ってあげる。あなたは基礎どころか全部なってない。あなたの熱意は認めてあげる。でもね、熱意だけじゃラブライブはおろか、スクールアイドルさえなれない」


友歌「そ、そんな…」


沙樹「…なんかあなたを見ていると昔の自分を思い出すわ」


友歌「え?」


沙樹「いえ、あなたの関係ないことよ。さあ、もう少し頑張りましょう。これが終わったらすこし休憩しましょう」


(30分後)


茉莉奈「はい、10分休憩。終わったら次のメニュー入るからね」


友歌「つ、疲れた…。筋肉が痛い…」


沙樹「何を言ってるの?こんなのまだやさしい方よ。次からどんどん厳しくなるから」


友歌「@@」


沙樹「…ねえ、友歌さん。ひとつ教えて。どうしてあなたはスクールアイドルになろうって思ったの?」


友歌「え?」


沙樹「さっき言ったでしょ。あなたは昔の自分を思い出すって…」


友歌「あ、うん。そう言ってたね」


沙樹「聞かせて」


友歌「うん。ちょうどこの音ノ木坂に入る前かな。あの時の私は当たり前の普通の子だったって思ったの。でもある日、偶然に当時のμ'sの動画を見て思った。私もいつかああいう風に輝きたいって。変かな?」


沙樹「変かもね。でもいかにもあなたらしいわ」


友歌「…えと…。沙樹さんはどうしてスクールアイドルになろうとしたの?」


沙樹「私? そうね。動機はあなたと同じ」


友歌「え?」


沙樹「私は三年前にμ'sの動画を見て知ったの。その時の友達と私と二人でμ'sみたくなろうと決めた。動画の歌やダンスは見様見真似でやった」


友歌「…」


沙樹「あの時にやった練習とかは厳しかったけど…すごく楽しかった。でもある日突然にその友達は忽然と消えた」


友歌「え?」


沙樹「後日、その子の両親に聞いてみたらダンスや歌をもっと学びたいために海外留学したって言っていた。なんでも私とアイツの二人の夢より、自分の夢のほうがチャンスがあるって」


友歌「…」


沙樹「そして一年前、たまたまある動画を見ていたらアイツが歌っていた。スクールアイドルとして。その時私は気づいた。私はアイツ…『ライカ』の夢のための踏み台にされたこと」


友歌「…ら、ライカ…? え?」


沙樹「あなたもあの時(第五章参照)聞いたでしょ? 茉莉奈さんや亜里沙さんがその名前を呼んでいたときにね」


友歌「じゃ、じゃあ沙樹さんは…」


沙樹「そう。スクールアイドルになったのは、ラブライブに優勝してライカを見返すこと。それが今の私の『夢』。そのためなら私はなんだってする。たとえあなたや茉莉奈さん。いえ、他のスクールアイドルたちも例外じゃない」


友歌「それが…沙樹さんの目指す夢なの?」


沙樹「そうよ。だからと言ってあなたの夢を邪魔するわけでもない。むしろ応援するわ。あなたには今の私みたいになってほしくない。あなたはまだ何もできないけど、あなたなら三年前の私がめざした夢を叶えることができるはず」


友歌「沙樹さん…」


沙樹「でもラブライブに出場するなら話は別。今のあなたと私は同じスクールアイドルでもあり、同時にラブライブをめざすライバル。そこのところだけは忘れないでね」


友歌「はい」


  ※   ※   練習メニュー終了   ※   ※


操「なあ、ユッキー。さっき島と何話してたんだ?」


友歌「あ、うん。あとで話すよ」


茉莉奈「はい!全員集まったわね。雪穂さんと亜里沙さんも来たことだし…。これから話があるからちゃんと聞くように」


雪穂「みんな、おつかれさま」


亜里沙「うん、スパスィーバ ザ ハローシュユ ラボートゥ!(ロシア語でおつかれさまの意)。今日は前に話していたライカを紹介するよ」


雪穂「ライカ、来て」


(松葉杖を持った、褐色の肌で身長170センチある女性が登場)
「えーっと、一年は初めましてになるね。来宮イカ(きのみや・-)です。あー、たぶん雪穂や亜里沙から話聞いたと思うけど、分け合って怪我して2か月入院。いまも(松葉杖ついて)こんな感じだけど、あと一週間で完治だね。それまでは君たちのサポートだね」


操「なんか痛々しいな」


百音「今も痛むんですか?」


イカ「うん。多少は痛むけど動かなかければ大丈夫。ただ歌は歌えてもダンスはまだかな。はっはっは(笑)」


茉莉奈「はぁ…。ライカさん、そんなこと言ってるけど、予選まで本当に大丈夫なんですか?」


イカ「問題ない。と言っても二か月ブランクあるからその分頑張らないとね。…ん?」


ともみさもね「?」


イカ「なんだ、そこにいるの沙樹じゃないか。すごく久しぶりじゃん。なんだ、お前も音ノ木坂に入学したのか」


沙樹「…ええ、久しぶり」(ガン見)


イカ「なんだよ、怖い顔をして。そんなんじゃかわいい顔が台無しだぞ」


沙樹「…よくそんなことが言えるわね。三年前のことを忘れたの?」


イカ「あ、そのことか。いやあ、ほんとにごめん」(ケラケラ)


沙樹「…!!」(プツン)


パンッ!!(ライカの頬を叩く)


イカ「え?」


沙樹「……」


続く→http://d.hatena.ne.jp/tw1-2/20170717